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「年(とし)」を大事にしてきた日本人

 日本人ほど「年」にこだわってきた民族はないでしょう。子どもが生れれば初宮詣に行き、そして七五三詣、成人式を経て、還暦(かんれき)や米寿(べいじゅ)などの長寿を祝う「年祝い」を行います。
日本人にとっての「年」は単なる時間の積み重ねではありません。人生は山あり谷あり様々な厄災が待ち構え、それを乗り越えてゆくことの難しさを私たちは日々の生活の中から学びます。だからこそ、日本人は日々の生活を大切にし、「年」を重ねるごとの喜びをかみしめ、神々に「生かされている」ことへの感謝の念を忘れませんでした。「厄年」は、陰陽道(おんみょうどう)の説として大陸より伝えられ、平安時代には公家社会に広まり、武家社会を経て、民間へと流れていったと言われています。日本人の「年」へのこだわりがあったればこそ、厄祓いは全国的な広がりを見せたのでしょう。

心の「厄」を祓う鎮守の森

 神社にお参りすると心が清々しくなります。鳥居をくぐり手水舎にて手と口をすすぎご神前に向かいます。私たち日本人は、正月を始め節目節目には必ず神社にお参りし、神様に守られ導かれていることへの感謝や、これからの健康などを祈念してきました。その姿は今日でも変わらず、全国の神社では多くの参拝者で賑わっています。
日々の暮らしの中には様々な厄災があることでしょう。それは今も昔も同じですが、とりわけ、今日では、交通事故や現代社会の歪みから来る事故や事件など、「厄」の範囲も広がっているのではないでしょうか。心の荒廃など精神を病む人たちが増えつつありますが、身体の「厄」を戦うとともに心の環境を整える場所もまた、鎮守の森の癒しの空間なのです。

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神職 藤岡邦彦 神道の世界
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